小説「人間失格」などで知られる文豪・太宰治(1909〜1948)をしのぶ日「桜桃忌」が今年も近づいてきた。
文学ファンにとってはお馴染みの日だが、事情の異なる今年2020はどんな運びになりそうなのだろうか?
この記事では情報を更新しながらお伝えしたい。

・桜桃忌とは
桜桃忌とは、6月19日のこと。
太宰治が1948年に東京都三鷹市の玉川上水で愛人と入水自殺し、遺体が見つかった日だ。
「命日」と便宜上言われることがあるが、
実際に入水したのは13日であり、いつ命が尽きたのかは不明でもある。
ちなみに19日は太宰の誕生日でもある。
桜桃忌の読み方は「おうとうき」。
太宰の短編「桜桃」に由来し、太宰をしのぶ日として文学ファンの間では定番になっている。
ちなみに、桜桃とは、さくらんぼのことである。
・当日に何があるのか?イベントは?
桜桃忌には、墓のある禅林寺(東京都三鷹市下連雀4-18-20)に太宰ファンが集まるのが定番だ。
例年、朝からたくさんの人が詰めかける。
地図(当サイト作成)
太宰治のコスプレをしたような本格的なファンから、海外から来て太宰治の研究をしているような人まで、様々なジャンルの人が集まる。
現役作家が顔を出すこともあるようだ。
また、変わった風習として、
訪れたファンが太宰の墓石にさくらんぼを詰めることでもよく知られている。
★ただこの集まりは現在、公式なイベントというわけではないことに注意。
おそらく主催者はおらず、アナウンスする主体もいないため、
寺側に迷惑にならない範囲でファンが現地で交流するという形にとどまっている。
・今年2020もマナーを守って
前項で書いたように公式なイベントではないため、
詳細にアナウンスする主催者は不在。
したがってどれだけの人が集まるのか、例年のように盛り上がるのかは、
当日になるまで不明だ。
今年は例年と事情が違い、東京都では自粛ムードもあるだろう。
一方で緊急事態宣言は解除されており、「ぶっつけ本番」で文学ファンが集まるかもしれない。
また訪れても長く滞在せず、順番に墓にお参りして立ち去るような雰囲気になる可能性もある。
訪れる場合は、マナーを守って楽しんでください。

※この記事は新たな情報がわかり次第加筆します。
太宰治ら無頼派文士の名言紹介はこちら